2013年9月28日土曜日

日本心臓血管麻酔学会第18回学術大会・第2日

今日も引き続き、学会に出席した。
以下は講演などのメモ書き。
 
文献レビュー
PreおよびPostconditioningのメカニズムの中にオピオイドが関与している。
・心筋におけるPreconditioning効果には、δ1受容体が関与している可能性が高い。
・ヒトにおいてδアゴニストを加えるとpreconditioningと同様の効果が得られ、アンタゴニストを加えると効果が消失する。
Eribis peptide 94というδオピオイドアナログを投与することで心筋保護を得た研究あり。
・小児心臓外科患者において強化インスリン療法を行なった研究では、Lancet (2009)では有用だとしているのに対し、New England Journal of Medicine (2012) では差がないとしている。
Lancet の論文は、感染・死亡のリスクの高い患者層を対象にしたものらしい。
・破裂腹部大動脈では、EVARでも開腹手術でも転帰に差なし。
・アグレッシブな輸液は、破裂大動脈における死亡率を高める。
・破裂大動脈で筋弛緩を投与するとタンポナーデ効果が失われるので、先に消毒を済ませておく。
・腎不全患者へのトラネキサム酸投与は術後けいれんを増やす。
・βブロッカーの投与は術前に中止しないことが重要で、血管外科領域では転帰はRCRIに依存しない。
・肺高血圧の臨床分類第1群・肺動脈性肺高血圧症があるが、これは以前は特発性と呼ばれていたもの。
・フローランの問題点:血小板凝集抑制作用、皮膚の血管拡張、不安定な物質、QOLの低下、穿刺部位の発赤・疼痛
・移植される肺は大きい方がいい。PH患者では60%以上
 
心疾患合併患者の非心臓手術の周術期管理
・日本心不全学会のカットオフ値は、BNP 100NTproBNP 400。ただし、NTproBNPは年令と腎機能によって値がずいぶん変わってくるので、解釈に注意が必要。
・腎機能障害がある時は、ダビガトランの術前の中止期間を長くする。
Biphasic response : ドブタミン10γで収縮能が良くなるが、30γでかえって悪化する。→有意な虚血の所見
・低リスクの患者にβブロッカーは勧められない。
・服用中のβブロッカーは継続する。
・周術期に新たに開始するβブロッカーは有害である可能性あり。投与するなら早期に少量から始めてtitrateすべき。
 
低侵襲循環動態モニタリングに関する教育講演
LiDCOrapidでは従来のモニターから血圧波形を取り込むので、必要器材がない。
・キャリブレーションが不要。
・血液駆出の結果発生する弾性動脈の容量の増減からCOを求める。
COSVVPPVが求められる。
COの精度については今後検討が必要。 --- バイアスが低めに出る。
 

2013年9月27日金曜日

日本心臓血管麻酔学会第18回学術大会・第1日

日本心臓血管麻酔学会第18回学術大会が小倉で行なわれた。
以下は講演などのメモ書き。
 
マシモ社のランチョンセミナーに出席した。
SpHb は改良されてきているが、低灌流時の測定は難しい。神経ブロックで末梢循環の改善を図ると、真のヘモグロビン値との乖離が改善するという報告あり。
・人工心肺後は原因は明らかではないが、末梢循環の良否にかかわらずSpHbの信頼性が低い。
iSpo2 iPadiphoneなどのアップル社全製品に対応しており、App storeからアプリをダウンロードすればSpo2、脈拍数、PI、脈波形などが測定できる。
10月以降に発売予定。
・データの蓄積と転送ができる。
 
午後は「低侵襲手術と脳脊髄保護」のシンポジウムに出席。
・ステントグラフト内挿術 (TEVAR) ではステントを留置する位置によって、例えばZONE 1とか2に(弓部3分枝にかかるような形で)グラフト末端がランディングする場合は頸部の血管にバイパスが必要となる。
ZONE 3(頸部3分枝以遠)にランディングする場合は脊髄虚血のリスクあり。
・ステントが長いほどあるいは脊髄下部に及ぶほど脊髄虚血のリスクが高まるようだが、弓部付近の短いステントでも下肢マヒが起こることから、対策には自ずから限界がある。
・ノルアドレナリンで血圧を高く保つことが、下肢マヒの予防および治療に役に立つ。
TEVARで対マヒが起こると、死亡率40%
Collateral Network Conceptの文献 --- Ann Surg 2006; 82: 1670-8.
MEPモニタリングでは、上下肢の電位が下がってなおかつ両側性の場合に積極的に脊髄虚血を疑う。
TEVARでは遅発性の対マヒが多い。Collateral Networkの低灌流や塞栓が機序である可能性あり。
・脊髄圧と血圧のコントロールが重要で、ステロイドとナロキソンは議論の余地あり。
・術中にナロキソンを使う時は、レミフェンタニルからケタミンに切り替える。
TAVRではペーシングで心拍数を150200にすることで脈圧を10mmHg以下にする必要がある。
・基本的には手術によるAVR (SAVR)が第一選択で、TAVRをやる場合はtransfemoral、それがだめならtransapicalで行なう。
・局麻でやるという考え方もあるようだが、基本的には全麻が必要。
・径が大きすぎる弁を選ぶと致死的な合併症、小さすぎる弁ではAR、位置がずれると冠動脈閉塞やAV blockが起こる。
 
夕方は近赤外線モニターのイブニングセミナーに出席。
・脳虚血を見つける基準としては局麻下でのCEAのデータが利用されており、rSO2の絶対値で50%以下、相対変化で20%以上の低下としている。
rSO2は体温の影響を受ける。
rSO2の基準値の75%以上をキープすると、臓器障害が軽減する。--- Anesth Analg 2007; 104: 51.
rSO2をコントロールすることでPOCDを軽減するかどうかについては、議論の余地がある。さまざまな報告あり。


 

2013年9月25日水曜日

同級生がノーベル賞候補に!

朝日新聞のウェブサイトを見ていたら、大学の同級生(水島昇君)が今年のノーベル賞の候補になっていると書いてあるのに気づいた。

来月7日が発表だそうだが、今から楽しみだ。

2013年9月20日金曜日

別の会社だった

昼休みに職員食堂に行ったら、また帰りにくじ引きをやっている人たちがいて、また同じようにつかまった。
「またか・・・」と思いつつクジを引いたらなんか手の感触がちょっと違って、今回は小袋入りのお菓子だった。

さらに同じように「アンケートお願いします」と言われたので、「この前の A 賞はどうなったの?」と訊こうとしたその瞬間、アンケート用紙の下の方に、この前とは違う生命保険会社の名前が書いてあるのに気がついた。

ライバル関係にある生命保険会社が次から次へと病院へ出入りしているというわけで、なんかすごく新鮮な感じ(?)だ。
でも常勤の職員たちはほとんど興味を示していない様子で、ちょっと気の毒な感じもする。

2013年9月18日水曜日

笑顔作れない・・・

臨床麻酔学会のシンポジウムでは、たぶん演者の紹介の時になのだと思うのだが、正面のスクリーンに写真を写しだすのだそうだ。

その時の写真が必要だというので、さっき、写真を撮ってメールで送った。

以前、新聞か何かで「中年男が普通にしていると怒っているように見える」というのを読んだことがあるのだが、確かに写真は怒っているように見えた・・・ので、何回か撮りなおすことになった。

外見とは別に、心はつねに平静なのだが・・・(笑)。

というわけで無理やりひきつった笑顔の写真が撮れたので、シンポジウムにお越しの際は「ああこれがその時の写真か・・・」と納得していただけると幸いです。

2013年9月12日木曜日

賞品もらえず

先週の生命保険会社から賞品をくれるとのメールをもらったが、昼交替はいつもよりも早い時間にいただいたし、夕方は LiSA の編集会議のためにそそくさと帰ったため、結局、もらえずじまい。

賞品が「アンバサダーホテルの夕食つき2泊ご招待+スリーデーパスポート家族全員分」かどうかさえ、わからずじまいだった。

2013年9月5日木曜日

ディズニー・グッズ 当選?!

昼メシ時に職員食堂に行ったら、一見してクジ引きと思われる箱を持った人たちがたくさんいて、しつこくつきまとわれてしまった。
しかたがないのでとりあえずクジを引いたら A 賞だとのことで、ついでにアンケートに答えてほしいとのこと。

最初は福利厚生関係の職員だと思っていたのだが、そのアンケート用紙にはしっかり生命保険会社の名前が書いてあり、保険の勧誘がメインの業務らしかった。
病院でこういう形で保険の勧誘を受けたのは初めてのことだ。

その A 賞の詳細は不明なのだが、来週くれるらしい。
よもやそんなことはないだろうが、家族全員分のアンバサダーホテル2泊つきスリーデー・パスポートだったりするとうれしい(笑)。